『作り手として感じる、それぞれの窯元の凄味』‐作山窯編 ②使い手につながる世界観の背景‐

『作り手として感じる、それぞれの窯元の凄味』作山窯編一つ目:ディティールから広がる広がるものづくりのこだわりの続き


―カネコ小兵と深山から見る作山窯の凄味―(語り手:カネコ小兵・伊藤社長と深山・松崎社長、受け手:作山窯・高井社長)

『二つ目:使い手につながる世界観の背景』

伊藤社長:僕はやっぱりものづくりの世界観だと思うな。うち(カネコ小兵)が昔の徳利生産から食器生産に移行する時*11に「器は誰が買うか?」という事を考えた。例えば一般の女性が購入するとしたら、どういう見方をして、どういう動機で買うかというと、食卓を華やかにしたいとか、盛り付け易いとか色々あると思うんだけど、その点で使う人の心をとらえている感じがする。そこにはさっきのハマのこだわりみたいなものに加えて、見た人が盛りたくなるというか食卓を華やかにしたくなるとか、こういうのをやってみたらどうかな?と食器から想像できるんじゃないかなと思います。そのへんのセンスがすごい。

『作山窯について語るカネコ小兵伊藤社長(右)と聞く作山窯高井社長』

伊藤社長:あと、「ものづくりのアイディアのヒントって何?」って聞いたら、街を歩く中で見かける服とかカバンとかのコーディネートと同じやって。我々ってこれ作りたいって思ったり、商品から考えちゃうけど、そういうところの見方、使い手の視点みたいなところが商品にでている。カラーリングがすごい綺麗なやつとかは特に。こういう食卓やったらこうとか、こういう食材やったらこういうのがいいなとか、コーディネート的なところを考えて商品を作っているように思うが、実はそうした事を考えなくてもできている感性というか、すごいなと思いますね。

松崎社長:作山窯さんのインスタみながらその話をとも思ったんですけど、これ以上言うと褒めすぎで耐えられなくなっちゃうかもしれないですね(笑)。

『作山窯インスタグラム @sakuzan_jp では様々なライフスタイルのご提案を』

伊藤社長:(その話だけだと使い手だけを見て製品開発しているように思えるが、)別の側面だと、実は、美濃のメーカーから生まれる普段使いの器は意外に石ものの磁器が多い*12。またその中で、土もので陶器を作っている窯元にしても味わいとして個体差の許容範囲が広い伝統的な和食器に行く窯元が多いんですよね。でも、作山窯さんはその土ものを使って現代の暮らしにマッチするような器と作っている。これは実は珍しくて、新しい感覚を入れているような感じがしますね。ある意味ニッチな世界を作っているように思いますね。

『手仕事での形づくりが可能な土もの素材によるものづくりで普段使いをうつわを』

松崎社長:基本的にはラインとしては、すごくシンプルなラインが多いですよね。見た目に使いやすいなと思ったりするんですけど。ロータス*13ってあるじゃないですか。あれもシンプルなんですが、外のくびれと高台の小ささと、形のラインが口では説明できないんですけど感覚的にいいですよね。

『ロータス』シリーズのカップ。2000年前半に誕生した器。流麗なフォルムと現在にも通じる釉薬の風合いが特徴』

司会:僕は作山窯さんのものづくりは、そっち側(使い手側)のことを考えてらっしゃるなと、高井社長とお話しするまでずっと思っていましたが、お話したら真逆で、ものづくりの方に集中してらっしゃって、それなのに結果としては、ちゃんと生活にフィットしていて、より驚きました。

高井社長:偶然ですよ。

伊藤社長:作りたいもの作って、偶然かもしれなけど、それでも世の中と合っている。

司会:製品開発者として高井社長の真似をするとやばいなと思うことがあります。意識してモノづくりの方に走っても、見た目は食器でも、使い易いディティールに仕上がらないので。

高井社長:自分で責任とれるっていうのがありますね。自分で開発して、自分で責任を負える立場であるからできている。例えば僕が一デザイナーとして会社で働いていたら同じようになっていたと思いますよ。

『器が生まれる場所をのぞむ高井社長(右)と司会(左)』

伊藤社長:ちゃんと存在力があるものっていいなって思いますよね。(2021年2月17日掲載)〉〉〉(作山窯その3「水ゴテ成形による陶器としての形づくり」に続く)

(注釈)*11.食器を作り始めた経緯は「參窯のはじまり その①」やきものの今に掲載 *12.普段使いの器には色や形に個体差があると敬遠されるため個体差の生じにくい磁器素材の器が採用され易い。見た目は陶器のような和食器でも素材としては磁器を使っているケースも多く、一概に和食器=陶器、洋食器=磁器ではない。特に居酒屋などプロユースでは硬く丈夫なので磁器素材の和食器は多くある *13.2000年前半に開発した器。司会者は当時自由が丘のお店でこの器を見て作家ものに間違い無いと思ったが後日、窯元の器と聞いて産業の魅力を再認識した。


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