第三回の相談所では仕事への姿勢と器の使い方についての二つのご質問に各窯代表がお話します。二つ目のご質問はM.T様からのご質問
(質問②)「おすすめのコーディネート術が知りたいです。レストランみたいな感じではなく家でちょっと凝ったごはんを作ったときにお皿で統一感や華やかさを出す方法を教えていただきたいです。自社に合うお勧めのガラス、カトラリー、ランチョンマットなども合わせて教えていただけると嬉しいです。」
‐カネコ小兵 伊藤社長の場合‐
カネコ小兵 伊藤社長(以下 伊藤):器を見て料理を決めるか、料理を作って器を決めるか。どっちでも良いけど、どちらかがまずあれば、そこから『料理と器の良いコントラスト』が浮かんでイメージ出来ると思います。
昔、折り目大皿という角皿を陶器祭りに出したときに「面白い器ですね。何を盛ったらいいですか?」って聞かれて、パスタやカレーを提案したらあまりしっくり来ていない様子だったけど「焼うどんにもいいですよ」って伝えたら、ワクワクした顔になって購入頂いたことが印象に残っています。器から料理がイメージできると良いのはもちろんだけど、それが使う人の好きな料理だったらもっといいなって、そういう良いコントラストに出会うためにも。毎日は大変だけど、今日の料理はこだわったなって時は、器もチャレンジしてもいいね。
‐盛りつけのワクワク感だと、このお重のお話も以前されていましたね‐
伊藤:この重箱はインスタライブをやったときにコンビニで買った惣菜を盛ったりしたんですが、これもワクワク感みたいなものが器によって出てくるんですよね。その場で売れるとか売れないではなくて、その姿が“楽しそう”が大事なんですよね。
他にも同じ総菜のハンバーグでもリンカシリーズの器に盛ってキャベツを添えたらどうだろうか?と想像が広がる。そういうワクワク感が良いんです。いろんな器と料理のコントラスト考えるのって楽しくない?
‐確かにぎやまん陶もリンカも、見てるとワクワクする器ですね。‐
伊藤:このリンカの28㎝オーバルボール(表紙の写真のうつわ)は元々はカレーライスをイメージしてたんだけど、この器で冷やし中華を食べたら良いんですよ。この楕円の黒い鉢に合うんですよね。中華って白いお皿に乗っているイメージだけどこの黒いボールに盛ると世界観が変わるんですよ。
伊藤:器の力って大きいんだけど、まだ伝わってない気がします。白い皿しか持ってない人がいたら、黒い皿に盛ってみるとか新しいものにチャレンジしてみると違ったコーディネートの発想が浮かんでくるんじゃないかな。食卓に変化みたいなものがあるといいと思う。変化球みたいなものが器で楽しめるから器を変えてみたら刺激のある生活が出来るんじゃないかな。
‐凝った料理を作ったときには、うつわも敢えてちょっと冒険してみる面白さですね‐
伊藤:そうそう。さっきの重箱もそうだよね。おせちを入れるものだと思ったけどパスタ入れてみても良かったとか。挑戦することで使い方をもっともっと楽しんでほしいですね。難しいこと考えるよりも、日常の中に楽しくなるとか凝った雰囲気が器から感じていただけたら嬉しいし、凝った料理をいい器に乗せることでさらに良くなるから、器って楽しいし面白いよ。特に今コロナ渦で巣ごもり消費とかステイホームされている中、ご家庭で食事を通してうつわの良さとともに小さな幸せを感じていただけたら嬉しいですね。(2021年8月27日掲載)⇒次回、第三回うつわやきもの相談所-作山窯の場合-に続く*9月3日掲載予定(毎週金曜掲載)
(取材後記) 毎日のごはんの時に器をあれやこれやと楽しんでいらっしゃるんだなと感じたお話でした。チャレンジされる中で良いコントラストにならない日もあるのかもしれませんが、その合わない事さえ楽しんでいらっしゃるような幸せな食の時間が思い浮かびました。(深山 柴田)
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