『同じ器でも少しずつ色が異なるのはなぜ?』作山窯の場合

(三話掲載の二話目)*「カネコ小兵製陶所」「深山」の話はこちらの一覧ページより。

【うつわ、やきもの相談所】では使い手からのご質問に対して、窯元それぞれのものづくりを背景にご回答します。当面はよくある質問のご回答する形となりますが、作り手に聞いてみたいことがありましたら、お問合せ欄よりご連絡下さい。

‐作山窯の場合‐『逆に変化を求めています』

作山窯 高井社長:それはもうやっぱり焼き場(焼くときの窯の中の場所)の温度差と火の回りですね。ただ、僕の場合は逆に変化するものを求めてますね。

『styleシリーズ。素材は黒い土。土ものの質感が残る裏面』

やっぱ深山さんところだったら美しい白磁なように、うちだったら土ものなんで、土ものから生まれる質感、風合い。それを表現しようとすると、当然焼き場によって変わってくる色合いになる。流石にまったく別モノにはできないので色によって焼き場を選んだりはしてます。ただ、別モノにはできないんですけど、色の出具合は個体によって変わったりしますんでそのあたりは気を付けますね。

●窯姿。奥行約2.5m。手前と奥、上と下で焼成の雰囲気に幅が生じる。

昔は色が違うねとか、こっちは茶色いのに何で?とか個体差を言われましたけど、最近は言われないですね。うちの焼き物はそういう風だっていう風に思われてますよね。こういうものをやればやるほどリスクは大きいんですけど、よその窯はやらないんでね。やっぱりメーカーっていうのはこれと決めたらこれを売っていくしかないですよね。

●色合いの変化を生み出すために作られる釉薬(ゆうやく)色見本。

こういうのを好む人のマーケットは小さいですからね。なかなか難しいんですけど、逆に言えばうちの生産規模から見るとそれでいいんじゃないかと思いますね。(おわり)

●作山窯 高井社長

(取材後記)陶芸家の作品も工場で生まれる食器も素材は同じ天然の土。使い手にその存在をきちんとお伝えする事ができたら、メーカーが生み出すことができる器はもっと広がるのではないか?作り手と使い手がつながる事で日常の暮らしを彩るうつわの可能性を垣間見ました。(柴田)

(2020/12/10)*三話掲載の二話目

*「カネコ小兵製陶所」の回答はこちらから。

*「深山」の回答はこちらから。


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