ポイント①やきものの色は”釉薬(ゆうやく)”で決まります!-選ぶときに編/色を選ぶときは?-

-「やきものづくり図鑑」とは?-

 イベントでの展示として行ってきたこの図鑑でご紹介しているのは「うつわやきもの相談所」に頂いたユーザーからの“やきもの”についてのご質問と、それに対する窯元からの回答から生まれた、ちょっと得する“やきもの”の豆知識。ユーザーだけでは分からない、作り手だけでは気づけない。二つがつながる事であらわになった情報を【うつわを選ぶときに編】と【うつわを使うときに編】としてウェブサイトでもご紹介しています。

●2023年3月のイベント【クラフトキャンプ土岐】での「やきものづくり図鑑」展示風景



 

-うつわを選ぶときに編-

●色を選ぶときは?

『ポイント①やきものの色は”釉薬(ゆうやく)”で決まります!』

-そもそも“やきもの”は何から発色するのか?

 釉薬(ゆうやく)という言葉を知っていたら、もう充分な”やきもの通”です。「うわぐすり」と呼ばれる事もあるこの釉薬(ゆうやくorうわぐすり)でやきものの色は決まるんです。ポイント①では”やきものの色を楽しく選んで頂く”ために役立つポイント②~④の前提となる、やきものの色の基礎となる”釉薬”についてご紹介します

●(画像1)円筒内の液体が「釉薬」。手前が焼いて発色した器。(左)青磁釉、(中央)漆ブラウン釉、(右)白磁釉。いずれも光沢のある質感に仕上がっている。

-釉薬とは何か?

 専門的に表現すと化学式が必要になるこの釉薬。それを簡易に説明すると『焼いた後に発色するよう顔料や鉱物が調合された液体』。その調合される顔料や鉱物により質感や色合いが変わり、それから表れる色により「〇〇釉」と色の名前を決定します。その名前は伝統的なものもあれば、新たに開発した色に独自に名付ける事もあります。画像1の場合、左の「青磁(せいじ)釉」と右の「白磁(はくじ)釉」は伝統的な名称に対して、中央の「漆ブラウン釉」はカネコ小兵が独自に開発した色関連記事*①美しい色合いに仕上がる事にこだわったから(カネコ小兵)」)です。

‐質感の理由は?光沢とマットの違い。‐

 画像1の製品は、色は異なっても三つとも光沢のある質感になっています。

 光沢のある製品の釉薬に多く含まれるのが【ガラス質(長石や珪石)】。このガラス質が透明感や光沢を生み出します。その反対にマット感のある製品がありますが、こうした製品の釉薬にはガラス質が少なく【粘土質】を多く含みます。この光沢感かマット感のいずれかの質感がやきものには多く存在します。(*この質感が関連する使用上の注意は「‐うつわを使うときに編‐【A,使う前に・・・】③表面の仕上がりを確認。カトラリーとの相性があります!*順次掲載予定」をご覧ください。

●(画像2)マット釉の製品例「stripe plateSS(作山窯)」⇒製品の詳細はコチラ

‐色の理由は?焼く事で発色します。‐

 ガラス質と言うと無色のイメージがあります。画像1の三つの製品のうち左の青磁釉と右の白磁釉はそのイメージの通り無色に近いですが、中央の漆ブラウン釉は濃い茶色になっています。ガラス質だけでは発色しないこの濃い茶色は鉱物を調合する事で表れます。この漆ブラウンのベースとなっているのが【飴釉(あめゆう)】という伝統的な釉薬関連記事*②窯元禁断の本当の飴釉(カネコ小兵)」)。この釉薬には光沢をうみだすガラス質(長石)に加えて【鉄(正確には酸化鉄)】を調合します。鉄を焼くと茶色になるの?と不思議に思われるかもしれません。少し詳しくなりますが、鉄が焼かれる時に”酸化反応”がおきます。酸化反応を説明すると難しくなってしまいますが、結果として”鉄は酸化すると錆びます”。鉄が錆びた時をイメージ頂くと茶色も分かり易くならないでしょうか?このようにやきものの色は、絵を描く時の絵具のようにそのままの色を施すのではなく鉱物や顔料を焼く事で酸化など化学反応をおこして発色させます

‐”やきもの”の色を楽しんで選ぶために…‐

 やきものは焼く事で”やきものならではの色や質感が生まれます”。しかし、その焼くという工程を経るために必要な作業からも色や質感は影響をうけます。その色や質感への影響を知って頂くと「やきものの色を選ぶとき」に楽しみが増えると考えています。均一な色合いだけが良いのではなく、変化があることが楽しいやきものの色合い。次からの②「土の種類で釉薬の発色は変化します」、③「釉薬と土は施釉で一体になります。」、④「土と釉薬を一緒に焼く事で色は仕上がります。」では、そうした工程をご紹介しながら、やきものの色の選ぶときのポイントをお伝えします。2023年6月8日掲載)

■関連記事

*①美しい色合いに仕上がる事にこだわったから(カネコ小兵)

②窯元禁断の本物の飴釉(カネコ小兵)



 

【やきものづくり図鑑‐目次‐】*目次ページはコチラ

‐うつわを選ぶときに編‐

【A,色を選ぶときは?】

①やきものの色は釉薬で決まります。(2023年6月8日掲載)

②土の種類で釉薬の発色は変化します。(2023年9月1日掲載)

③釉薬と土は施釉で一体になります。(2023年9月29日掲載)

④焼いて生まれる!色の変化とグラデーション(2023年10月27日掲載)

【B,形を選ぶときは?】

①積み重なりを確認しましょう。*順次掲載予定

 

‐うつわ使うときに編‐

【A,使う前に・・・】

素材を確認!陶器か?磁器か?*2023年6月8日掲載

②陶器なら目止めをしましょう!*順次掲載予定

③表面の仕上がり確認。カトラリーとの相性があります。*順次掲載予定

④裏面を確認しましょう!高台は滑らかですか?

【B,使っている時に・・・】

①電子レンジを使うときには!*順次掲載予定

②食器洗浄機を使うときには!*順次掲載予定

 

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