『松崎家の食卓のうつわ5選』深山 松崎社長の場合(第一話)‐作り手の大切な器、我が家の食卓‐

 道すがらの木々が芽吹くすがすがしい季節となりました。本日は4月7日。先の日曜日が二十四節気の清明であり、第三回目の座談会は深山のショールームより各社の社長さんに加え、野口品物準備室の野口忠典さんにもご参加頂きました。

 第三回は「作り手の大切な器。我が家の食卓」がテーマです。第二回の座談会ではそれぞれの窯元でのものづくりについてお話しいただきましたが、今回は作り手が自社のものづくりに囚われず一個人の『受け手』『使い手』としてやきものや器や暮らしに対して感じていることをお話頂きます。

 テーブルの上には、気になるうつわやご家庭で使っている食器などをスタッフも含めて持ち寄りました。


―深山の松崎社長の大切な器、我が家の食卓(語り手:深山・松崎社長 聞き手:作山窯・高井社長、カネコ小兵・伊藤社長、野口品物準備室・野口さん、司会:深山・柴田)

『松崎社長が選びご家庭で使われている6つのうつわ』

【松崎家の食卓のうつわ5選】

司会:最初は深山の松崎社長から。いろいろな器をお持ちいただきました。これらはご家庭で使われている器ですか?

深山 松崎社長(以下、深山):そうですね。一つも深山の器が無いんですけど、それはあえて持ってきてなくて、今回は他の窯元の器で家で使っているものです。購入したのは私だったり妻だったりしますが、食卓で使われていて何かしら感じた器たちを持ってきました。なので最初に、それぞれの器の気に入った点と出会った場所などをお話したいと思います。

①サイズが絶妙なお皿

深山:まずこのアイボリーがかったリム皿*1と呼ばれる深めの器(①)ですが、普段はパスタなどで使う使用頻度が高いうつわですね。サイズが絶妙に良くて、妻はもちろん、子どもでも僕でも使えるので本当にこれは重宝しています。

『①サイズが絶妙な器』奥の写真はお子さんが盛りつけたちらし寿司

 この器には先日のひな祭りの日に子どもが自分で作ったちらし寿司を盛り付けました。この写真がそうなんですが、あくまでこれは子供が盛りつけた写真です。奥さんの名誉のために(笑)。でも、それでも美味しそうに映えるんですよね。

 もちろん好みはあると思いますが、この柔らかい色合いがいいのかなと思います。多分、並土*2を使ってニューボン釉*3で仕上げてると思いますが、この色がさまになってますよね。

カネコ小兵 伊藤社長(以下、カネコ小兵):並土を使って、こんなに黄色味が強くなる?

深山:多分、酸化焼成*4で焼かれているんじゃないですかね。

カネコ小兵:ああ、酸化やとそうやね。

②青いうつわ

深山:あと青の器*5は磁器らしくで好きなんです。だから作山窯さんの青い器もたくさん買ってるんですけど (笑)、それはあえて持ってきてなくて、今回はこの(②)小田陶器さんの器を持ってきました。小田陶器さんの蔵出し市のときに妻が買ってきて、こういう色は深山にもたくさんあるので「この色買ってきたか…。」とその時は思ったんです。でも料理を盛り付けると、この八角形が絶妙に様になるんですよね。深みのある青色もいいけど、この形はいいなと思わされました。和洋中どんな料理でも様になりましたね。

『②青いうつわ』八角形が特徴的な幅26㎝くらいのうつわ

③持ち手のうつわ

深山:それからこのうつわ(③)。これは最初にご紹介したアイボリーのリム皿と同じ日本のブランドの器ですが、出会ったのはドイツのフランクフルトで開催される展示会に出展していた時です。

『③取っ手のうつわ』柔らかい四角に持ち手のようなものがついた特徴的なカタチのうつわ

このしっとりとしたグレーっぽい色、そしてこの形。料理と合うのかな?しかもこんな持ち手みたいなのがついてるし、何に使うのかな?って思ったんですが、製造としては上手く作ってあって興味がわいたので手に入れて使ってみると、これがちょうど良い深さで色んな料理が盛りつけられて、そしてグレーの色も食材が映えるし、けっこう様になるんですよ。いい意味でギャップがあった器です。(続く…2021年5月14日掲載)⇒『作り手の大切な器、我が家の食卓』深山 松崎社長の場合(第二話)5月21日掲載*毎週金曜掲載

『器について一つずつ語る深山の松崎社長』


●脚注:*1.リムとはお皿のフチのリング状の部分。このリム部分があるお皿をリム皿と呼びフランス料理などで使われたフォーマルな器の形。カジュアルなシーンではこのリムの無いクープ皿と呼ばれる器の形が使用される。現在はシーンに囚われず好みで選択される。  *2.並土とは原料メーカーによる呼称で明確な区分は無いが、白磁土と比較すると粘土分が多く、長石分や硅石分が少ない土。粘土分が多い事で可塑性が高まり難しい形を作る事ができるが、不純物も多く黒みがかった色合いとなる。   *3.釉薬の一種でアイボリーがかった色合。洋食器で人気の風合いボーンチャイナのような色合いを求めて作られた釉薬のため、新しい(NEW)ボーンチャイナからニューボンと呼ばれる。  *4.焼成方法の一種。1200度強程度の温度で焼成。焼成時に酸化反応が発生し色合いに影響を与える。前述のニューボン釉の場合は原料に含まれる鉄分が酸化反応をおこしアイボリー色となる。鉄は酸化すると錆びて茶色になるが原料中の鉄分は微かな量の為、その茶色が薄い状態で発色するためアイボリー色に見える。焼成方法は他に還元焼成などがある。  *5.陶磁器の青い色はコバルトを原料として発色させるケース多い。釉薬の場合このコバルトを非常に多く調合すると瑠璃釉と呼ばれる色合いとなり、絵付けの顔料として使用すると染付技法として使われる。いずれも特に磁器の器においては東西を問わず伝統的かつ人気のある仕上がり。


■過去の座談会記事一覧

〉〉〉第二回座談会『作り手として感じる、それぞれの窯元の凄味』はこちらから

〉〉〉第一回座談会『參窯のはじまり』はこちらから


〉〉〉「三窯行えば、必ず我が師あり」一覧に戻る

〉〉〉■ご意見、ご感想、お問合せはコチラから

 


・・・・・參窯ミノウエバナシ contents・・・・・

●ブログ「三窯行えば、必ず我が師あり」

●ブログ「うつわ、やきもの相談所」

●作り手に聞いてみたかったことがある》》》 ご質問はコチラへ

●オンラインストア「outstanding products store」

 ●イベント案内「歓迎/出張ミノウエバナシ」

産地でのファクトリーツアーや消費地でのワークショップなど、リアルなイベントのご紹介です。

●コラム「ノグチサンのミノウエバナシ」

●參窯(さんかま)へのお問い合わせは 》》》 こちらへ



 

関連記事

PAGE TOP