(質問②後編)參窯の活動で起きた変化は?‐野口さんと振り返る2021年‐

カネコ小兵にて行った第五回座談会『野口さんと振り返る2021年』*(質問②前編)「參窯の活動で起きた変化は?」から続く


 ―(質問その二)參窯の活動で起きた変化は?(後編)―(司会:野口品物準備室 野口さん、語り手:カネコ小兵 伊藤社長、作山窯 高井社長、深山 松崎社長)

運営スタッフ:横からすいません。ちなみに野口さんはどうですか?參窯と関わってみて。

野口さん:僕ですか?僕は意識して少し背後から座談会の文章を見させて頂いていましたが。やっぱり「面白いな~」って(笑)本音の話と言うか、あまり表に出てこない、お酒でも飲みながらじゃないと聞けないような話ばかりじゃないですか。それを記事として公開しているというのは、本当にすごいと思いますよ、こういうのは無かったと思うので。有田焼など他の生産地の人やものづくりにかかわるデザイナーさんなどからも「面白いね」とお声がけ頂いてますし、僕はただただ楽しませてもらってます。

●四回目の座談会では自らが属するする美濃焼について思うことを語りました。話は多岐に渡り全14回の内容としてアーカイブされています。

深山 松崎社長(以下 深山):そういう他の産地やものづくりに関わる方にゲスト*1に来てもらって話したいな。

野口さん:今日こちらに来るまでの間にスタッフの方と話していたのですが、実現するしないは別としてお三方が、話を聞いてみたい人を挙げてもらって、その中からゲストを呼んで話をしてもらうというのも面白いかもしれないです。バイヤーさんやお店の方など。

カネコ小兵 伊藤社長(以下 カネコ小兵):野口さんも今回みたいな司会じゃなくて、改めてのゲストも良いよね。今日のテーマは固いけど、もうちょっと柔らかい内容で、陶磁器業界を盛り上げるには!みたいなことで、決して我々が引っ張っていくためには、ということはないけど、有田地区だって波佐見地区だって頑張っている産地はいろいろあるじゃないですか。連携しようってことよりも、個々がきちっと発信をするとか、陶磁器のファンを増やすだとか、そういう視点でこういう風にした方がいいとか、こういうのはどうですかっていうことを聞いてみたいな。それは、もちろん自社のものを売りたいというのもあるけど、何より食器全体が広まっていかないと。そうして全体が広がれば、こだわったものを買いたい人も増えるだろうしね。この器が欲しいっていう人が増えることが、産地でうつわを作っている人たちの誇りになると思うんですよね。

●參窯のマグカップも出品した。銀座松屋さんでの催事「銀座手仕事直売所」での52人のマグ展

野口さん:使っている人からの反応は大切ですよね。昨年9月の銀座手仕事直売所は少し感染が収まってきたタイミングで、「何とかやりましょう」という感じでやれたのですが、作り手の中には来場できない方も何組かいて、モノをお預かりして販売するという形もありました。皆さんのうつわも出品頂いた「52人のマグ展」*2もこの形式でしたよね。でもお客さんの雰囲気や売上はコロナ禍前の開催と同様でした。それまで自粛していたイベントがほとんどだったので、ここへきて直売所やるんだということで、お客さんも久しぶりだからか楽しんでお買い物をされていました。

カネコ小兵:うちの窯や小兵は*3、9月はお休みしたけど、10月、11月はラインだけで小規模に告知して開催したけどコロナ前の7割くらいは来場頂けてよかった。何人かは參窯を見てますとおっしゃってましたよ。素性がばれちゃったから何も話すことなかったけど(笑)改めて外に出たいという人が増えていると思いましたね。

●窯や小兵が開催されるギャラリーにはオリジナルの看板も

野口さん:作山窯さんのショップ*4も通常どうり土曜日曜は開いてらっしゃったんですか?結構人が戻ってきました?

作山窯 高井社長(以下 作山窯):やっぱり閉めてた時期もありますね。でもそんなに人数は変わらないですよ、増えてもないですしね。窯の近くという事もあって、人通りが多い訳でも無いですからね。

カネコ小兵:サクザンビレッジはいつもお客さん多いからね(笑)。

野口さん:(笑)。ありがとうございます。ではいよいよ最後の三つ目の質問「会社と自分、10年後はどうありたいか?」を伺わせて頂きますね。

作山窯:これが一番難しいよね(笑)2022年2月4日掲載)⇒第5回座談会「(質問その三)会社と自分、10年後どうありたいか?(前編)に続く・・・*次回2月11日掲載予定(毎週金曜掲載)


●脚注:*1.【座談会参加者募集】同じ窯元としてやきものについて語りたい。素材は異なるけどものづくりを行うものとしてこれからを話したい。使い手として作り手の想いに触れてみたい。參窯と何かを共有したいと思われることがありましたらこちらの「お問合せ」より座談会参加希望としてテーマと共にご連絡下さい。少し時間はかかるかと思いますが、これからの座談会のテーマを検討する際に俎上に上げさせて頂きます。 *2.2021年9月14日火曜から一週間、東京の銀座松屋さんで開催されたイベント「銀座手仕事直売所」での企画展示で、全国から52人の作り手のマグカップが一堂に介した。マグカップと言う一つのうつわでも、それぞれの作り手の背景が投影され、その器を通してものづくりを感じて頂く事を目指した。本来は作り手が共にいてそれぞれの言葉で伝える事が出来れば良いが、それが難しい環境の中でも、ものを通して想いを伝える事も出来るのでは?と再認識させられた。詳しくはこちらのイベントリポートより。 *3.「窯や小兵」は參窯の一つカネコ小兵製陶所がギャラリーや工場を開放し、イベントを行う事で使い手とつながる場所。詳しくはこちらのカネコ小兵ウェブサイトより。 *4.「sakuzan village」2019年に窯のある土岐市駄知町にオープンした直営店。詳しくはこちらの作山窯ウェブサイトより


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〉〉〉第三回座談会『作り手の大切な器、我が家の食卓』アーカイブはこちらから

〉〉〉第二回座談会『作り手として感じる、それぞれの窯元の凄味』アーカイブはこちらから

〉〉〉第一回座談会『參窯のはじまり』アーカイブはこちらから


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・・・・・各窯元ウェブサイト・・・・・

參窯その1:カネコ小兵製陶所(岐阜県土岐市下石町)https://www.ko-hyo.com/

參窯その2:作山窯(岐阜県土岐市駄知町)http://www.sakuzan.co.jp/

參窯その3:深山(岐阜県瑞浪市稲津町)http://www.miyama-web.co.jp/


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