NEW『三つの窯元の三つの豆皿に宿る、やきものの幅広さと面白さ』參窯豆皿揃え(カネコ小兵・sakuzan・miyama)

■器:參窯豆皿揃え、■おすすめする人:參窯(さんかま)

-カネコ小兵製陶所。作山窯。深山。同じ美濃焼の産地で器を作りながらも、それぞれ異なる器づくりを行う三つの窯元の個性が伝わる小さな器を一つの贈りもののセットと致しました!-

●セットに入るそれぞれの窯元の豆皿。一つの窯元で4種類。三つの窯元で12種類の豆皿。

-參窯(さんかま)の想い-

岐阜県土岐市下石地区で和食器をルーツとしながら磁器で器を作る「カネコ小兵製陶所

同じく土岐市駄知地区で同じく和食器がルーツながら陶器で器を作る「作山窯

その隣、瑞浪市稲津地区で洋食器をルーツとして磁器で器を作る「深山

三つの窯元が集い2021年1月にスタートした參窯プロジェクトでは、それぞれの作り手の想いや技術といったものづくりの背景を発信し、やきものを知って頂く機会が生み出せれば、使い手ももっと自由に、もっと楽しく器とつながって頂けるのではと願いオウンドメディア「參窯ミノウエバナシ」にてやきものにまつわる座談会などをご紹介したり、イベントに参加しています。

 その想いを器で表現したのがこの【参窯豆皿揃え】。三つの窯元のそれぞれの個性が表現された豆皿を集め、一つのセットとしています。

 日本の中の、美濃焼の産地*1の中の、三つの窯元だけであっても、素材もルーツも異なり、やきものの面白さは多様に広がります。


-參窯(さんかま)の窯元それぞれの違い-

●參窯の地域、素材、ルーツの違い

 三つの窯元は岐阜県土岐市と瑞浪市に在り距離にすれば10㎞程度。車で20分あれば行き来できます。しかしそのわずかな地域の中でも「地域」「素材」「ルーツ」の違いにより作り出す器はそれぞれ独自の雰囲気となります。それぞれの窯元の個性とは・・・


①カネコ小兵製陶所 地域:土岐市下石地区、素材:磁器、ルーツ:和食器(徳利)

 2021年に創業100周年を迎えた土岐市下石(おろし)地区の「カネコ小兵」は、かつては日本一の日本酒徳利の生産を行っていました。元来、岐阜県土岐市は良質な粘土が産出され江戸から明治にかけて国内向け和食器生産を行い日本の食卓を支えてきた地域であり、現在も200以上の窯元が存在する日本最大の食器生産地です。

 社会環境の変化にあわせて伝統的な徳利製造から食器づくりを移行したカネコ小兵は「暮らしの中に小さな幸せを届ける」という想いをもって2008年に代表作となる「ぎやまん陶」*2を生み出します。徳利時代から得意とした磁器を素材とし、和食器の伝統的な形式である菊花/輪花を現代的にデザインし、その表面にガラス(ぎやまん)のように煌めく4色の釉薬(ゆうやく/うわぐすり)を施しています。カネコ小兵の技術と想いを体現した器です。

*1.美濃焼についての歴史や地域や技術については第四回座談会「美濃焼について思う事(全13話)」でご紹介しています。アーカイブよりご覧頂けます。 
*2.ぎやまん陶を生み出した想いは『使い手と交わることで育ったカネコ小兵の代表作』ぎやまん陶の器でご紹介しています。

②作山窯 地域:土岐市駄知地区、素材:陶器、ルーツ:和食器(丼)

 作山窯のある土岐市駄知(だち)地区は和食器の中でも丼(どんぶり)の生産量日本一を誇ります。深みのある器の生産に適した、形を整えるための粘りけと高温で焼いても変形しない安定性をもつ陶土(とうど)が産出されたこの地区で1987年に創業した作山窯は、和食器や土ものの特性を受け止めつつ、伝統的な在り様にとらわれず、やきものと暮らしが調和した現代の器づくりを行います。

 一般的に多くの窯元は複数の土を扱いません。それは土ごとに特徴があり、複数扱う事は生産の難易度を高めるためです。しかし作山窯では四種類の土を使用し、それぞれに適した釉薬を施し器とします。豆皿揃えの「stripe plate SS」はキメの細かい白い陶土*3で形を作り、表面をマットな質感の四色の釉薬を施し土らしいしっとりとした仕上がりとなっています。「うつわを形づくる全ては、そこに盛られる料理のためにある。」暮らしのための器を作る作山窯のものづくりの想い*4です。

*3.參窯で紹介するもう一つの作山窯の器『styleシリーズ』は目の粗い黒い陶土を使用し、窯変を生じる光沢釉で仕上げてある。詳しくは『土ものの良さを大切にした食卓の軸となるうつわ』でご説明しています。

*4.作山窯のものづくりの想いは、うつわやきもの相談所回答編『同じ器でも少し色合いが異なるのは何故ですか?』作山窯の場合で垣間見えます。


③深山 地域:瑞浪市稲津地区、素材:磁器、ルーツ:洋食器(プラター)

 深山のある瑞浪市は明治後期から昭和40年代まで磁器による輸出用洋食器の一大生産地でした。釜戸長石など磁器生産に必要なガラス系原料が産出されたことで、隣の土岐市とは異なる生産体系が確立された瑞浪市。その地で1977年に創業した深山は後発だったこともあり、当時、主流ではない鋳込み(いこみ)成形*5での器づくりに特化しました。プラターと呼ぶ楕円形の洋食器などを生産するこの技術は一日当たりの生産量は少ないが、楕円形や四角形など自由で精度の高い造形が可能な技法です。

 輸出減少が顕著となった1999年からこの自由な造形技術と、洋食器をルーツとする磁器土を1350℃で硬く衛生的に焼く技術を基礎にオリジナル製品の開発に着手した深山。豆皿揃えの『楽小皿』は雪の結晶や伝統的な文様をフォルムに取り込み、器面に繊細な彫刻を施し、高温で焼け溶けた釉薬が彫刻に溜まることでやきものならではの濃淡を生み出しています。

*5.參窯で紹介する深山の器『パレットプレート』は鋳込み成形でしか生み出すことが出来なうつわ。詳しくは『鋳込み成形だからできる暮らしを軽やかにする仕切り皿』でご説明しています。


 カネコ小兵は徳利と言う伝統的な磁器のものづくりの美意識を現代に食器として再構築し、

 作山窯は地域の卓越した陶土を産業の定型に捕らわれずやきものとして表現し、

 深山は鋳込み成形の特性を存分に使うことで器の道具としての可能性を広げる。

 この豆皿にはそうした窯元や産地や素材の面白さが内包されています。



-豆皿の楽しみ-

 これだけ個性がバラバラな器。普通に食卓の置いたら目も当てられないほどちぐはぐになるかもしれません。でもこの直径10㎝未満の手の平に収まりそうな豆皿なら、この色とりどりな個性が、そのまま食卓の彩りにとなります。

 見立てたり、取り合わせたり。違うからこそ楽しい豆皿は色んな食卓で活躍します!


①もう一品の副菜のうつわとして

●メインのおかず以外に口取りとして美味しい珍味の小皿としても!

②お茶の時間、コーヒーの時間、お菓子の器に

●チョコレートや和菓子が少しずつ。

③白菜や小茄子、お漬物のうつわに。

●お漬物の盛付け用としても、取り分け用の小皿としても。

④生姜に葱に、薬味の小皿に

●好みにあわせて使いたい薬味は、専用の器で。

⑤フルーツがちょこんとのってると

●フルーツはのってるだけでも美味しそう。

ご紹介したのは一例です。小さな器は思いついたら自由にお使い頂けます。食事だけでなくアクセサリーや指輪置きとしても良いかもしれません。色んな暮らしを豊かに彩る小さな器「豆皿」なら、テイストが異なる三つの窯元の器ならではの楽しみも生まれてきます!



-參窯豆皿揃えについて-

①『參窯豆皿揃え三枚組』¥3,850(税込)

(内訳/基本色)箱:紺和紙箱に參窯ロゴ入
器:「カネコ小兵 ぎやまん陶三寸皿」「作山窯 stripe platteSS」「深山 楽小皿」 各1枚
*色の組み合わせは下記基本の4パターンがあります。それ以外の組み合わせも可能ですのでご注文時にお問合せ下さい。
  1. (作山窯/ネイビー・カネコ小兵/漆ブラウン・深山/桔梗形青白磁)
  2. (作山窯/ホワイト・カネコ小兵/墨ブラック・深山/八稜鏡鳥の子釉)
  3. (作山窯/グレー・カネコ小兵/茄子紺ブルー・深山/木瓜形白磁釉)
  4. (作山窯/ハニー・カネコ小兵/利休グリーン・深山/雪華形白磁釉)

『參窯豆皿揃え六枚組』¥7,700(税込)
(内訳)箱:紺和紙箱に參窯ロゴ入
器:「カネコ小兵 ぎやまん陶三寸皿」「作山窯 stripe platteSS」「深山 楽小皿」 各2枚
*色の組み合わせは下記基本の2パターンがあります。それ以外の組み合わせも可能ですのでご注文時にお問合せ下さい。
  1. (作山窯/グレー、ハニー・カネコ小兵/茄子紺ブルー、利休グリーン・深山/木瓜形白磁釉、雪華形白磁釉薬)
  2. 作山窯/ホワイト、ネイビー・カネコ小兵/漆ブラウン、墨ブラック・深山/八稜鏡鳥の子釉、桔梗形青白磁

■ご購入総合ページはコチラから(outstanding products storeカテゴリーページへ)


・・・・・各窯元ウェブサイト・・・・・

參窯その1:カネコ小兵製陶所(岐阜県土岐市下石町)https://www.ko-hyo.com/

參窯その2:作山窯(岐阜県土岐市駄知町)http://www.sakuzan.co.jp/

參窯その3:深山(岐阜県瑞浪市稲津町)http://www.miyama-web.co.jp/


・・・・・參窯ミノウエバナシ contents・・・・・

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